ハーレクインにでてくるヒロインの悩み
子宮内膜症、DV被害、ストレスによる月経不順など、ハーレクインの登場人物たちは美しい容姿をもちながらも周囲には打ち明けられない悩みをもっていることが少なくありません。
また、男性にもて遊ばれた経験をもっていたり、不妊を理由に離婚された過去をもつ女性がいたり、愛する伴侶を不慮の事故、殺人などで失った女性がいたりします。
こうして、自分の肉体的、精神的においつめられセックスを拒絶することでパートナーの男性に誤解され、なじられる場面も決して少なくありません。それでも暗い話にならないのは、主人公たちが必死でがんばっていて自然と私たちも彼女を応援したくなるからでしょう。
同じ女性であっても、物語を通して彼女たちと出会うまで気付けなかった苦しみがそこには書かれています。誰にも言えなくて苦しむ姿に、一人きりで悩みを抱え込んでしまう自分を、いつの間にか重ねてしまったり……。
だから幸せになってもらいたい、男性たちにもどうか、彼女の苦しみに気付いて、分かってあげて欲しい!とページをめくる指にも力が入ります。私たちはハーレクインを通して同性の悩みについて分かち合ったり、袋小路にはまりこんでしまったときの出口を見つけることができるのです。
親しい間柄だからこそ、打ち明けられない悩みがあります。それを物語を通じて知ることができるのは幸せなことだと思います。