ハッピーエンドの途中にある苦難
ハーレクイン文庫は、そのハッピーな雰囲気全開シンデレラストーリーを全面に押し出しながら、これでもかと女性を不幸につきおとしていきます。
私は、ハーレクインが安っぽく思われるのはハッピーエンドで終わるシンデレラストーリーという「絶対のお約束」が理由だと思っていますが、その影で泣かされるヒロインの立ち位置たるや散々なんです。ページの間から「女はつらいよ」と合唱する声が聞こえてきそうなほどです(笑)
たしかに、信じられないほど素敵な男性に見染められて、ベッドの中で夢の世界につれていってもらえるのはとっても魅力的。それに、絶対にハッピーエンドで終わるシンデレラストーリーだと分かっているのだから、物語の中で語られる不幸がかわいく思えるのも事実です。
けれど、そのやり口がえげつありません。何百人という美女を登場させては次から次へと新たな手法で不幸のどん底にどっぷりつからせる、やっぱり女は怖い生き物です!!先生、絶対わざとでしょ!!怖いわ~、怖いですわ~!!
キャリアウーマンが女として枯れてしまう姿や、男にライバルとして叩きのめされる姿をどこよりも先に書き出したのもハーレクイン。いつまでたっても女性蔑視が消えない現状を描き続けるのもハーレークイーン。
ハーレクインは人生の先輩である女性たちから、私たちへの警告や応援のメッセージがぎゅっとつまった体験談でもあるのです。